できない理由より、やる理由を探して|片腕で開いた小さなパン屋の挑戦
松丸 延広さん
会社員 → パン屋
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https://news.ntv.co.jp/category/life/3d391b75cedb437a925fa591bdbb849f
2025年4月6日(日)、静かな住宅街の一角に、焼きたてのパンの香りがふわっと漂う小さなパン屋がオープンしました。
お店の名前は「ベーカリー PINE(ベーカリーパイン)」。
右腕を失ったというハンディを抱えながらも、「それでもパン屋をやりたい」という気持ちで、一歩ずつ進んできた松丸さんが営むお店です。
開業のきっかけになったのは、未経験からパン屋を目指せる「リエゾンプロジェクト」との出会いでした。
松丸さんのために、リエゾンプロジェクト代表の河上が考案した“片腕だけでできる製パン法”なども取り入れながら、少しずつお店のかたちをつくっていきました。
準備の期間中には、日本テレビ『news every.』の密着取材もスタートし、その挑戦は徐々に注目を集めることに。
今回は、松丸さんがどんな想いでパン屋を目指し、どんなふうに夢をかたちにしていったのか、その歩みをご紹介します。
「家で作るだけじゃ物足りなかった」—パンづくりが“日常”から“挑戦”に変わった瞬間
松丸さん:「もともとパン作りは趣味でした。最初はお菓子と一緒にちょこちょこ作っていた程度で、休日にキッチンで気ままに焼くのが楽しくて。でも、ふと気づいたんです。家で焼くと、どうしても数に限りがあって、作っても食べきれないし、冷凍庫もすぐパンパンになる。それでも「もっと作りたい」と思う気持ちは強くなっていって——。」
「せっかくなら、誰かに食べてもらえたらいいな」
「そう思い始めたのが、パン屋をやってみたいと思うようになったきっかけでした。とはいえ、右腕がない自分にパン屋ができるのか?最初はやっぱり不安でした。
でも、「無理かも」で止まるより、「やってみてから考えよう」と思ったんです。」
「片腕でもできる方法を一緒に考えてくれた」—リエゾンプロジェクトとの出会い
松丸さん:「いざ開業に向けて動こうと思った時、最初に相談したのは銀行でした。でも、結果は残念ながら融資は通らず…。やっぱり「飲食・パン業界での経験がないこと」や、「片腕での開業」という点で、不安視された部分が大きかったのだと思います。そんな中で出会ったのが、リエゾンプロジェクトでした。」
「未経験でもパン屋を目指せる仕組みがあること。そして、研修でしっかり実践を積めることに魅力を感じてすぐに申し込みました。」
「実際に参加してみると、リエゾンプロジェクトの代表・河上さんが、僕のために“片腕でもできるパンづくりのやり方”を一緒に考えてくれたんです。生地の扱い方から成形、焼き上げまで、「どうしたら自分に合うやり方になるか」を一緒に試しながら進めてもらえて、すごく心強かったですね。」
「誰も来なかったらどうしよう・・・」—開業初日の朝、並ぶお客様に背中を押された
お店が完成して、いよいよ迎えたオープン当日。
松丸さん:「正直、それまでは「誰も来なかったらどうしよう」と、半信半疑でした。天気もあまり良くなかったし、地元でもまだそこまで知られていないと思っていたので。でも、開店前からお客様が並んでくれていたんです。」
「パンが焼きあがるたびにどんどん売れていって、「来てくれた人たちのためにもっと頑張らなきゃ」と思いました。特に人気だったのは「塩バターロール」。3つ、4つとまとめて買っていく方が多くて、焼いては売れ、売れてはまた焼く——そんな忙しくも嬉しい時間が流れました。」
プレオープンでの失敗がくれた気づき
松丸さん:「実はオープンの前に、一度プレオープンとしてお店を開けたことがあったんです。でも…それが本当にボロボロで(笑)。」
「段取りもうまくいかず、準備も足りていなくて、「ちゃんとやらなきゃダメだな」って強く思いました。もちろん落ち込んだし、余裕もなかったけど、あの日があったからこそ、「本番に向けてもっと丁寧にやろう」って気持ちを切り替えることができたんだと思います。」
地域とのつながりが励みになる日々
松丸さん:「お店を出した場所は、商店も少なくて、日々の買い物もちょっと不便なエリアなんです。だからこそ、「ふらっと立ち寄れるパン屋があったらいいな」と思っていました。実際、来てくれるお客様は近所の方が多くて、「チラシ見てきたよ」「また来るね」って声をかけてもらえるのが本当に嬉しいです。」
「僕自身も、こうした海沿いで商店が少ない地域に住んでいるので、そうした日常の不便さや暮らしの感覚はすごくわかります。だからこそ、このお店が地域の中でちょっとした寄り道や楽しみになってくれたらいいなと思っています。パンを通じて、少しずつ人とのつながりができていくのも、とても嬉しいです。」
「やってみてよかった」
松丸さん:「もちろん、片腕でのパン作りは簡単なことではないです。時間もかかるし、仕込みのスピードもまだまだ上げていかないといけない。でも、それ以上に、「楽しい」という気持ちが勝っています。DIYで店を作ったり、メニューを考えたり、パンを焼いてお客様と会話する——全部が面白くて、毎日がちょっとした冒険みたいな感じです。「やってみてよかったな」って、心から思います。」
躊躇している誰かに伝えたい、「一歩踏み出す勇気」
松丸さん:「僕が大事にしているのは、「まずやってみる」ということ。「片腕じゃできないんじゃないか」とか、「失敗したらどうしよう」とか、不安に思うことはたくさんありました。」
「でも、やってみないとわからないし、意外となんとかなることも多いです。」
「やってみて、「やっぱり違うな」と思ったらそのとき考えればいい。だから、「ちょっとやってみたいかも」って思ってる人がいたら、とりあえず一歩踏み出してみてほしいです。オープン当日にたくさんのお客様が来てくれたことで、「やってみてよかった」と心から思えたし、あの景色はきっと一生忘れないと思います。」
「パン屋になる」という選択肢を、もっと身近に。リエゾンプロジェクトとは?
松丸さんがパン屋としての一歩を踏み出すきっかけとなったのが、未経験者でも開業を目指せる「リエゾンプロジェクト」。
短期間の実践研修や、オリジナルメニューの設計、店舗づくりのサポートまで、パン屋になるために必要なことをすべて学べる仕組みがあります。
「修行なし・未経験からでも、自分らしいパン屋を開ける」そんな選択肢があることを、ぜひ知ってもらえたら嬉しいです。
パン屋開業にご興味がある方は、「リエゾンプロジェクト無料説明会」にご参加ください。