2020.08.27

パン屋を開業・独立したい人は必見!絶対に知っておきたい情報まとめ

「いつかパン屋を開業したい」
「パン屋で独立してセカンドライフを充実させたい」
「地域の人に愛されるパン屋を開業してみたい」

今、このコラムを読まれている方の多くが上記のような想いを持たれているのではないでしょうか。
毎日、美味しい焼きたてパンに囲まれながら、自分の理想のお店でお客さまと楽しく会話をする。
満員電車や上司のストレスもなく、家族やスタッフと一緒に、毎日楽しくパン屋を経営する。そんな生活に憧れますよね。

このコラムは「パン屋を開業・独立したい人」のために、準備する上で絶対に知っておいた方がよい情報をまとめました。

・パン屋開業に向けてどんな準備が必要か
・パン屋の経営を成功させるポイント
・売れ続けるパン屋と失敗するパン屋の違い
・パン屋の年収や売上構成、利益率について

などをお伝えします。将来の起業独立やセカンドライフに向けての情報収集としても、ぜひご活用ください。

【2022.1月追記】
代表の河上による12分の動画セミナーを公開します。ご興味ある方はご視聴ください。

>動画セミナー視聴はこちら

<セミナー内容>
・プロフィール紹介
・今後のパン需要とパン屋が抱える問題
・未経験者でも売れるパン屋を開業するには
・パン屋は儲かるの?売上構成や利益率について
・5日間でパン屋になれるリエゾンプロジェクトとは?

パン屋開業に向けて動く前に

まずはパン屋の開業について全体像を知る

「パン造りが好きなので、パン屋をやってみたい」
「地域の人に、自分のパンを食べてもらいたい」
「毎日でも食べたくなるようなパンを造りたい」

周りの人を幸せにするパン屋を開業できたら、とても楽しそうですよね。

しかし、パン屋を開業したいという漠然とした想いがある一方で、具体的に何から手を付けたら良いか分からないという状況ではありませんか。

それもそのはず。本当にパン屋を開業するとなったら、開業準備としてやることがたくさんあります。忙しい毎日の中でたくさんの情報を精査したり、色々なことを勉強したり、書類作成や手続きをしたりととにかく大変です。

そもそも初めてのパン屋開業ですから、どんな情報を集めれば良いのか何を準備すれば良いのか、本当に自分がパン屋を開業して上手くいくのか、など分からないことだらけですよね。

そこで、まずは「パン屋開業までの流れやポイント」の全体像を知ることをおすすめします。

パン屋開業のために、どんな情報を集めれば良いか

テレビ、新聞、雑誌、パソコンやスマートフォンの普及などが要因で現代は膨大な情報量で溢れています。
インターネットで検索するにしても、色々な人が違う事を言っているので、どの情報が正しいのか判断しにくいのが現状です。

そんな中「パン屋を開業すること」に関して、どこから信頼できる情報を、どのように集めれば良いのでしょうか。

情報量は年々増加している

総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)より

正しい情報を精査するポイントは

・誰が言っているか
・どんなことを言っているか

の2つではないでしょうか。
そこで、まずは私たち(株式会社おかやま工房)がどんな会社かご紹介させてください。

株式会社おかやま工房について

直営店のパン屋を4店舗経営

株式会社おかやま工房では「パンの製造・販売」及び「小規模ベーカリープロデュース」事業を展開しております。

1984年に大阪府でオープンした「フレッシュベーカリー・パンクック」から創業38年、わずか10坪の店舗付き住宅でスタートした小さな個人商店が、今では従業員90人を抱え、国内外に事業を展開する企業に成長しました。

直営店のベーカリーは岡山県岡山市に2店舗、アメリカのカリフォルニア州に2店舗、リエゾン本店の平均日商は100万円を超え、大人気のカレーパンは1日1000個以上を売り上げる大盛況の店舗となっています。

直営店 リエゾン本店の様子(2020年2月撮影)

直営店 リエゾン本店の様子(2020年2月撮影)

コロナ対策でリニューアル改装(2020年11月撮影)

マルシェのような雰囲気を味わる店内に(2020年11月撮影)

様々なメディアに出演

テレビ東京【カンブリア宮殿】
日本テレビ【いきなり!黄金伝説。】
NHK【所さん!大変ですよ】
TBS【Nスタ】
テレビ東京系列【モーニングサテライト】
TBS【坂上&指原のつぶれない店】
BSテレビ東京【カンニング竹山の新しい人生、始めます!】
日本テレビ【おしゃれイズム】 他

様々なメディアで紹介され、国産小麦100%の無添加生地を使用した「毎日食べても飽きない」安全安心な焼きたてパンを提供する店舗として話題となりました。

この売れるパン屋の開業成功ノウハウを
『未経験者でも5日間でパン屋になれる』
のキャッチコピーで提供しているのがパン屋の開業支援事業「リエゾンプロジェクト」です。

>画像クリックで「オンライン無料説明会」情報ページへ

2016年にカンブリア宮殿で取り上げられ、一気に全国に広がり、2022年10月現在の開業支援実績は全国に270店舗以上。たくさんのオーナー様がパン屋を開業される夢を実現しました。

フランチャイズとは違い「ベーカリー開業支援」として開業のご支援をしております。その特徴は何よりも自由度が高いことです。

・未経験からパン屋の開業を目指せる
・店舗名、営業時間、定休日などが自由
・当社直営店で売れているパンのレシピを提供
・ノルマ、
ロイヤリティなし
・独自開発のミニ機材を使用
初期費用の低減)
・オリジナル商品の開発も可能 など

この記事では、当社がリエゾンプロジェクト開業支援で「売れるパン屋を開業する成功ノウハウ」として提供している情報を詳しくお伝えしていきます。

具体的には

・パン屋開業を成功させるポイント
・パン屋開業の問題点
・今後のパン業界の需要
・パン屋の売上構成と利益

・パン屋の開業形式や修業期間

などについてご紹介します。気になる情報があればぜひチェックしてみてください。

パン屋の業界は今後どうなる?

パン業界は今後20年以上伸び続けると予測される

国内最大手のパン製造メーカー「山崎製パン」も、総工費約200億円をかけて26年ぶりに工場増設を決定しました。

今後もパン業界は需要が伸び続けるのではと言われていますが、その背景を探っていきましょう。

2011年パンの消費量がコメの消費量を上回る

総務省「家計調査(2人以上の世帯)」のデータによると、2011年に日本におけるパンの消費量がコメの消費量を上回りました。

ここには様々な要因が考えられますが、ここでは「共働き世帯の増加」「高齢者の増加」という2つの観点から考えてみます。

パン需要

矢野経済研究所「国内のパン市場規模推移」より

共働き世帯の増加によりパン需要が増える

近年では、共働きが当たり前になってきました。内閣府「男女共同参画白書(令和2年版」によると、昭和55年頃から共働き世帯が徐々に増加し、平成9年以降は専業主婦のいる世帯数との差が広がり続けています。

この背景には、世帯年収の減少、女性の社会進出、働く女性の意識変化によるものが大きいと考えられていますが、そんな忙しい毎日の中で、毎日3回しっかりとした食事を用意するのはかなり大変ですよね。

東北大学の「20代から60代のビジネスマン1000人を対象とした『幸せ度とライフスタイルに関する調査』」によると、朝食でよく食べるもの(複数回答:サンプル数896名)のアンケート結果は下記でした。

1位「ジュースや牛乳、コーヒー、水など飲み物」(69.4%)
2位「パンやサンドイッチなどのパン食の主食」(59.3%)
3位「ごはんやおにぎりなどの米食の主食」(43.6%)

パンやサンドイッチなどであれば食事の支度時間が比較的短く、使用する食器類も少ないため、片付ける時間も短縮できます。

車通勤の方であれば、運転中にも片手で食べられるという利点もありますし、朝は手軽にサクッと食べられるパン派が増えているというのも納得できますね。

資料出所 総務省統計局「労働力調査特別調査」、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」

高齢者の増加によりパン需要が増える

高齢者の方は「ごはん派」のイメージを持たれる方も多いと思いますが、実際に色々な方にお話を聴いてみました。結論としては「パンをよく購入する」方がとても多いです。

・手軽に食べられるため
・孫が遊びにくるから
・焼きたてパン屋が近所にあるので
・胃の負担が少ない

上記のような理由から、パンを頻繁に食べる方が実は非常に多いのです。

日本は超高齢化社会と言われ2042年には日本人人口の半数以上が60歳以上になるとも言われています。そんな中、手軽に食べられ、消化吸収の良いパン需要が増えることは想像に難くないでしょう。

65歳以上の高齢者がいる世帯数及びその割合

農林水産省ホームページ 総務省「国勢調査」より

不景気になると、パン屋の売上は上がる

実はパン業界は「不景気になると売上が上がる」少し変わった業界なのです。

2020年の新型コロナウイルスによる影響で、多くの企業や飲食店が大きなダメージを受けました。

しかし、当社の直営店ベーカリーやリエゾンプロジェクトで開業支援をさせて頂いた多くの店舗が、ダメージを受けるどころか、前年対比で「売上110~150%程度アップ」しています。

これは、不景気になると「 贅沢(外食)の機会が減る → 自宅で食事をする機会が増える → 自宅で食べるパンの購入数が増える → パン屋の売上が上がる」の理由からです。

新型コロナウイルスがいつまで続くのか分からず、景気が停滞している中で、不景気でも売上が上がるパン業界は狙い目かもしれません。

パン事業に挑戦する企業が増加

補足ですが、当社の「パン屋 開業支援事業」に興味を持ってくださる法人様が増加傾向にあります。

新型コロナウイルス対策として新たな事業を模索したり、既存事業とのコラボを狙う企業様からご相談をいただき、開業支援させていただく機会が増えました。

パン屋の店舗数はどんどん減少している

街の小さなベーカリーが廃業

最近は高級食パン店などのメディア露出も増えたため、パン屋が廃業しているイメージがない方も多いのではないでしょうか。

実はここ十数年、パン屋は減少傾向にあり、帝国データバンク「パン製造小売業者の経営実態調査」によると2019年には過去最大の廃業数を記録しました。

特に減少しているのは街の小さなベーカリー。こちらもいくつかの要因が考えられますが、一番は後継者が不足していることです。

タウンページ データベース参照

パン屋が廃業する2つの要因

一番の要因は、小規模ベーカリーの後継者不足による廃業です。パン屋のオーナーが年齢を重ねてきたので、いざ後継者を探そうと思っても、長期間の修行が必要なパン屋を継ぎたいという考えの人は近年では稀です。

このベーカリー業界の昔からの悪い体質は、時代に合わせて変化しなければなりません。

帝国データバンク「パン製造小売業者(2020年2月13日 DAIAMOND online)より

もう一つの要因が、パン屋のオーナーが「経営者」ではなく「職人」であることです。

これは、そのパン屋のオーナーがいけないというより、パン業界全体として「パン屋のオーナー=職人」という体質になっていることが問題です。

職人気質のオーナーの中には「こだわりの美味しいパンを造っていたら自然に売れる」と信じている方も一定数います。

バブル期など過去に売れた実績があっても、時代の変化に柔軟に対応出来ないとパン屋として生き残ることは難しいでしょう。

美味しいパンを追求することは大切ですが、あまりにこだわりが過ぎると開発コストがかかります。

原価率が上がったり、製造効率が落ちることも考えられ、マーケティング施策など売れるために必要なその他のことにも時間を使えなくなってしまいます。

さらに言うと「美味しいパン=売れる」の認識は誤解なのですが、詳しくは後述します。

コンビニやスーパーは競合ではない

パン屋の廃業理由を調べてみると、

・コンビニやスーパーの増加
(安くて美味しい袋入りのパンが増えた)
・薄利多売のビジネスモデル
・小麦など原材料の高騰 など

が要因だという考えが多く見受けられました。
しかし、当社ではそのように考えてはおりません。

これらの要因も少なからずあるかもしれませんが、コンビニやスーパーでパンを購入する方とパン屋でパンを購入する方とでは、そもそも顧客属性(ターゲット)が違うのです。

そして「粉もの商売は、水もの商売の次に儲かる」と言われているように、実はパン屋の利益率はかなり高いのです。

さらに小麦などの原材料が高騰したとしても、全国的にパンの価格が上がるため、売価を上げることができるので利益率は維持できます。

しかし、「本当にパン屋で利益が出るの?結局は薄利多売のビジネスモデルでしょ?」と思う方に向けて売上や原価率について具体的な数字を入れて解説します。

夫婦で経営すれば月間利益100万も可能

先に結論をお伝えすると、
「パン屋は夫婦(家族)で経営すると一番儲かる」のです。

例えば、「日商10万円、週2日定休日(20日稼働)」としましょう。この場合、月間利益100万円のパン屋を目指すことが可能です。

当社のリエゾンプロジェクトで開業支援された中にも「ご夫婦や家族で開業された方」が多くいらっしゃいます。

パン屋の原価率や利益について

それでは、具体的な利益率などについて考えてみましょう。

利益率:10~15%程度(手元に残る営業利益)
原価:25%程度(仕入れ、原材料費など)
諸経費:25%程度(家賃、水道光熱費など)
人件費:35~40%程度(スタッフを雇用しない場合はこちらも利益になる)

上記のように、実はパン屋の利益率はかなり高いのです。

特にスタッフ雇用をせずに夫婦二人や家族で経営する場合には、約50%が利益となります。

「日商10万円、週2日定休日(20日稼働)」の店舗であれば、月間利益100万も現実的ということをご理解いただけるかと思います。

---------------------
10万円(日商)×20日(稼働日)×50%(人件費+利益)= 100万円/月(月利益)
---------------------

アルバイト・パートなどスタッフを雇用する場合や、法人として社員に任せて事業展開する場合は、利益率は10~15%程度になるので、上記の場合は月間利益は20~30万円となります。

つまり、「パン屋は夫婦(家族)で経営すると一番儲かる」ということです。

このような理由から、リエゾンプロジェクトではスタッフ雇用をせずにご夫婦(または女性スタッフ1名のみ雇用)での小規模ベーカリー開業をおすすめしています。

地域の人に愛されるパン屋になり、口コミを中心に地域のお客様を集客し、毎日でも食べたくなるような飽きないパンを提供することでリピート率を上げ、自分だけではなく家族の分も購入してもらうことで単価も上げる。

これらが出来れば売上(利益)はどんどん上げられると思いませんか?

「売れるパン屋の仕組み」を作れば、毎月しっかり利益を出すことは可能です。

たとえ未経験者だとしても『売れるパン屋の開業・経営ノウハウ』を知れば十分に勝ち目があるのです。

パン屋を開業する前に知っておきたい5つの問題点

開業を目指す前に、パン屋を開業する際の問題点を把握して対策を考えておきましょう。それぞれを解説していきます。

1)職人の製パン技術習得に8~10年かかる
2)初期費用が2000~3000万程度かかる
3)パン屋の経営成功ノウハウを知らない
4)後継者ができない、他の人に任せられない

1)職人の製パン技術習得に8~10年かかる

製パン技術を習得する際、いわゆる「職人技」の感覚を掴むまでには8~10年の修行期間が必要と言われています。

例えば夏と冬で気温や湿度が変わっても、毎日安定した品質で商品を提供する必要があるからです。

フランチャイズなどの研修である程度マニュアル化をしている場合もありますが、製パン技術習得にはある程度時間がかかるということを理解しておきましょう。

研修や技術取得に時間がかかるほど、開業に至るまでの期間も長くなっていきます。

2)初期費用が2000~3000万程度かかる

立地や開業スタイルによっても異なりますが、一般的なパン屋の開業には初期費用として2000~3000万円程度かかることが見込まれます。

最近では機材のリースや居ぬき物件などを利用することで、費用を抑えて開業出来るケースも増えては来ました。しかしオーブンやホイロなどの機材、店舗の家賃、内装工事などの設備費用、運転資金などを考えると、想像よりも多くの費用がかかります。

フランチャイズ契約の場合、契約金以外にもロイヤリティが発生する場合が多いので、損益分岐点(初期費用の回収)までに時間がかかり、すぐに利益を出すことが難しいことも考えられます。

また、いきなり大きな売上を目指そうと、リスクも大きい大型店舗を経営しようとするケースも見受けられますが、あまりおすすめ出来ません。契約金、初期費用、機材設備費、人件費、運転資金、売上予測などの資金繰りや事業計画を事前にしっかりと立てる必要があります。

3)パン屋の経営成功ノウハウを知らない

他の事業で成功したことがある方でも、パン屋の事業で成功したことがある方は少ないでしょう。

一般的な事業とパン屋の事業とでは、経営ノウハウが大きく異なります。 例えば駅ビルや駅前の人通りが多い場所での開業を、当社ではおすすめしておりません。

また、パンに関する資格取得を目指したり開業スクールに通う方も一定数いらっしゃいますが、それよりも重要なことが多々あります。

詳細は後述しますが、これを理解せずにパン屋を開業してしまうと大きな痛手を負います。

 

4)後継者ができない、他の人に任せられない

開業前から後継者のことを考えるのは早すぎるのでは、と思う方もいるかもしれませんが重要な問題です。

跡継ぎのことまでは考えが回らなくても、もし「職人技でしか造れないパン」を扱う店舗だった場合、職人である自分は休むことができません。

体調が良くない時も無理してお店に出て、結果としてどんどん店舗経営が悪化していくというリスクも考えられます。

このようなパン造りや経営面に関するリスク対策も事前に考えておく必要がありますが、多くの人が「自分で何とかする」と職人的な発想に陥ってしまい大変苦労されています。

パン屋開業の問題点をいくつか述べましたが、これらの対策を事前に考えておくことで、様々なリスクを減らすことが可能となります。

リエゾンプロジェクトではパン屋開業・経営に関する問題点を解決する「仕組みと成功ノウハウ」を提供しております。

さらに詳しく知りたい方は「リエゾンプロジェクト無料説明会」にご参加されるか、こちらより詳細内容をお問い合わせください。

>画像クリックで「オンライン無料説明会」情報ページへ

パン屋開業までの流れと必要な3つの項目

それでは実際にパン屋を開業する流れと、そこに必要な情報をお伝えしていきます。

パン屋開業までの流れは大きく3ステップです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

パン屋開業までの流れ

STEP① 製パン技術の習得
STEP② 経営知識の習得
STEP③ 各種手続きや書類申請

①製パン技術の習得

基本的には既存のパン屋で修業をして独立を目指す、またはフランチャイズや開業支援をしている企業の製パン研修を受講するという形になります。

製パン専門学校や製菓専門学校の製パンコースで技術を学ぶことも考えられますが、学校では技術面を知ることが出来ても、実際の店舗での製造・販売経験が積めないので、卒業してすぐにパン屋を開業するのはおすすめできません。

また、最近はパン教室などに通う中でパン屋の開業を夢見る方も増えてきました。趣味でパンを焼くのであればそれも良いのですが、事業としてパン屋を考えているのであればすぐに開業することはおすすめ出来ません。

仕事としてパン屋を開業するのであれば、毎日安定した品質で美味しいパンを、時間効率や原価率などを考えながら造る必要があるからです。そして、後述しますが「美味しいパンと売れるパンの違い」を現場で掴むこともとても重要です。

なるべく早く自分のお店を開業したい気持ちもあるでしょうが、売れ続けるパン屋になるためにも、まずは安定して美味しいパンを製造できる技術を身に付けましょう。

②経営知識を身に付ける

「パンが大好きなので、将来はパン屋になりたい」こんな想いを持ちながら経営面や売上管理に苦手意識を持っている方が非常に多いです。

しかし、自分のお店を開業するなら経営の勉強は必要不可欠。これから「パン屋を開業する=パン屋の経営者になる」のであれば、ある程度の勉強代は必要経費として積極的に学んでいくことをおすすめします。

独学で勉強できること、実際にパン屋の現場経験が必要なことの2種類がありますが、自分で勉強できることは積極的に学んでいきましょう。

例えば、書籍であれば1冊1,500-2,000円程度で購入できます。気になった本を何冊も読んでみたり、店舗経営のセミナーに参加してみるのも良いですね。インターネットでも「経営」「店舗開業」に関する情報は多数ありますので、あれこれ考えず気になったら何でも勉強してみてください。

ただし 研修内容が乏しい高額セミナーなども一部ありますので、きちんと得られるリターンとリスクを考えて行動しましょう。

結局のところ「何が自分に合うか分からない」ので、リスクを考えた上で何でも経験してみることが重要です。 現場での経験に関しては、パン屋での修行(勤務)の中で体験するか、フランチャイズ・開業支援などのプログラム研修で疑似体験するかしかありません。

※ただし、フランチャイズの場合は、契約した方のみが研修を受けられることが多いです

また、お店を開業する前に「お店のコンセプト / どんなお店を目指すか / どんな人にパンを食べてもらいたいか」など企業理念やビジョンを明確にしておく必要があります。これらに正解はありませんので、何度も繰り返し試行錯誤することで洗練されていきます。ぜひ考えてみてください。

③必要な各種手続き、店舗設計を行う

保健所や税務署に各種の書類提出が必要です。しかし、ここでは必要な細かい手続き関係についてはあえて触れません。

というのも、「実際の手続き内容を知る」ことよりも、先に「本当にパン屋をやりたいのか」「どんなパン屋をやりたいのか」などの開業イメージを固める方が重要です。

例えば、事業計画書作成、借入申請、物件選定、内装業者選定、保健所や税務署への各種届け出、電気ガス水道などの各種手続き、機材や設備の購入と搬入、必要備品の買い出し、ユニフォームやお店のロゴ決定、レジの準備など、細かいやることを書き出してしまうと、何から手を付けて良いのか分からなくなってしまいませんか?

 

ですので、まずは全体の流れとして

・食品衛生責任者の受講が必要(1日で習得可能)
・実際に開業に向けて進むときに、細かい手続きを順番に進めていく
・それよりも「売れるパン屋」になる準備が整っている方が重要

とまず知っておいてください。

開業前に考えておきたい情報をまとめてリストアップした、「パン屋開業準備チェックシート」(この記事の最下部)も併せてご活用いただければ幸いです。

<補足>パン教室や開業スクールは必要か

将来パン屋を開業するために、パン教室に通ったり、パンに関する資格取得やスクール通いを目指す方がいらっしゃいます。もちろん無意味かと言われたらそんなことはありません。

しかし、売れるパンの造り方や、実際の店舗経営について学習できる機会は少ないと思います。パンの資格習得や開業スクールに通うことが「本当に必要か?」はよく検討してみてください。

<関連記事>
パン屋になるなら開業前に社会人向け専門学校に行くべき?期間・費用・メリットをまとめ

パン屋を開業する3つの方法とメリット・デメリット

パン屋を開業する方法は大きく3つあります。それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。

1)独立開業

1つ目の方法は「独立開業」です。製パン技術や経営ノウハウを他のパン屋で学び、その後独立して、自分の店舗を開業させるという流れになります。

自分の好きにパン屋を運営できる一方で、仕入れルート確保や商品開発に至るまで、全てを自分だけで行う必要があるために時間がかかり、その分余計なコストがかかってしまうこともあります。

独立開業のメリット

・販売商品、営業時間、定休日、商品開発、内装外装など、全てを自由に出来る
・契約金などはかからない
・他店で修行すれば、給料をもらいながらパン屋の経営について学べる

独立開業のデメリット

・製パン修行に時間がかかる
・自己負担の初期費用が大きくかかる
・仕入れルート確保、各種開業手続き、事業計画作成など、全て自分で行う必要がある
・自分で商品開発を行い、店舗経営ノウハウを学ぶ必要がある

2)FC開業(フランチャイズ開業)

2つ目の方法は「FC開業」です。FC加盟店となることで、仕入れルートや経営ノウハウなどを提供してもらいます。

しかし、毎月売上に応じたロイヤリティが発生したり、ブランドイメージを損なわないために様々な規約やルールを守る必要があります。

フランチャイズ開業のメリット

・知名度のある企業の看板で店舗を持てる
・仕入れルートや経営ノウハウが既に確立されており、開業しやすい
・FC本部の様々なサポートが受けられる

フランチャイズ開業のデメリット

・加盟料や毎月のロイヤリティが発生する
・規約やマニュアルに応じた対応が必要(自由度が低い)
・自分で商品開発や、営業時間、定休日などを決められない

3)開業支援

3つ目の方法は「開業支援」です。当社の開業支援リエゾンプロジェクトはこちらの形態です。

フランチャイズ(FC)契約とは違い、独立開業のサポートをする形で支援します。

ロイヤリティや規約などもないため、上記2つの良いところどりにも感じられますが、契約内容(開業支援のサポート範囲)を明確にしておかないと「開業の一部しかサポートしてもらえない」など勘違いが生じます。

開業支援のメリット

・契約内容によるが、基本的には自由にパン屋ができる
・ロイヤリティなどは発生しないところが多い
・自分が必要な部分のみをサポートしてもらえる

開業支援のデメリット

・契約金がかかる
・コンサルティングだけ、手続き代行だけ、のように一部のみ支援の可能性がある
・自社実績に基づいたノウハウだけを提供し、開業エリアの地域特性を加味していない場合がある

パン屋を開業する最大のリスク

ここで再度考えていただきたいのですが、『パン屋開業における一番のリスク』はなんでしょうか?

金銭面、体力面、売上低迷、ケガや病気、など様々なことが考えられますが、一番のリスクは『パン屋を開業したは良いが、思っていたイメージと違い、すぐに辞めたくなってしまった(しかし辞められない)』となることではないでしょうか。

せっかく夢だったパン屋を開業したのに、理想と現実にギャップがあり、さらには金銭的なリスクがあるので辞めたくても辞めることができない。本来はパンを焼いたり接客するのがすごく好きだったはずなのに…

こんな状況になってしまったら悲しいですよね。

例えば、多くのフランチャイズの場合、フランチャイズ契約を進めていく中で、契約金を支払ってから上記に気付くリスクがあります。研修は契約内容の一部なので、当然と言えば当然です。

そして、たとえ店舗設営に進む前だったとしても、数百万円の契約金に関しては返ってこないでしょう。

「せっかく契約をしたのに、研修を受けてみたら思っていた内容と違った…」

もちろんやってみなければ分からない部分はもちろんありますが、契約前には十分な検討が必要です。

開業にこだわらなくても良い

ここで一度考えて頂きたいことがあります。それは、「本当にパン屋の開業が必要か」ということ。

「パンを造るのが好き」という理由であれば、趣味でパンを焼いて、家族や友人に食べてもらうだけでも十分かもしれません。また、他のパン屋でパートやアルバイトをするという選択肢もあります。

事業としてパン屋を開業するには、それなりに覚悟が必要です。金銭的なリスク、製パンや経営の勉強時間などの時間的なリスクがありますので、具体的な開業準備を進める前に十分な検討をしましょう。

それでも「やっぱり、自分のパン屋を開業してみたい!」と考えるようであれば、開業リスクについてしっかりと考えたうえで備えをきちんと行う必要があります。

例えば、『試しにパン屋になるための技術や考え方を学んでみたい』という方には当社の「5日間研修」をお試しいただくことをおすすめしています。

>リエゾンプロジェクトの5日間研修について

リエゾンプロジェクト「5日間研修」の様子

受講者が研修4日目に造ったパンの一部

パン屋開業のよくある勘違い

1)美味しいパンを造ったら売れる

もし、「美味しいパンは売れる」という考えを持っているのであれば、その考えを改めなければなりません。なぜなら、そのような考えが根本にあると、下記のような勘違いをしてしまうからです。

よくある勘違い その①

→売れていないのは、味が分からない顧客がいけない
→自分は悪くない、そのうち売れるはずだ
→改善しない

よくある勘違い その②

→売れていないのは、味が美味しくないからだ
→もっと美味しいと思ってもらえるパンを造ろう
→手間暇をかけて新レシピを考える
(結果コストがかかる)

こだわりの美味しいパンを造るには、原価や手間がかかります。そして、味に飽きます。たとえ美味しいパンだとしても、毎日食べたいとは思わないものです。

「毎日でも食べたいパン(飽きないパン)」を造れたらパン屋として大成功。なぜなら、毎日でも購入してもらえるからです。(単価UP、リピート率UP)

身体に優しく、味にも飽きない、安全安心なパンを、適正価格で提供する。当社はこの方法で、36年間売上を伸ばし続けています。

2)パンの修行に時間がかかる

先に述べたように、パン屋になるためには一般的に8~10年の修行が必要だと言われています。しかし、これは「外国産小麦」を使用したパンを「パン職人」にしか出来ない職人技で造ろうとしているからです。

もし『パン造り未経験者でも、パン修行が必要なく、美味しいパンを造れるようになる」としたらいかがでしょうか?

リエゾンプロジェクトでは「未経験者」でも「5日間」でパンが造れるようになるように、全てをマニュアル化した『5日間研修』を行っています。研修後の開業ステップも全てパッケージ化されているので、安心して準備を進めることができます。

さらに、契約前に研修のみ受講も可能なので、開業を悩む方の一歩目の挑戦としても有効活用いただけます。

3)開業がゴールになっている

パン屋を開業したいとおっしゃる方の中に、「開業がゴールになっている」方が非常に多いです。これでは上手くいくはずもありません。

夢のパン屋開業に向かって具体的に進んでいるので、浮足立ってしまうのは分かります。しかし、開業の先を見据えて「売れるパン屋」、さらに言うと「売れ続けるパン屋」を目指す必要があります。

そのためには、先に述べた「売れるパン屋になるためのポイント」を参考にしながら、ご自身の気持ちを確認したり、自分がどんなパン屋をオープンしたいかについて深く考えてみてください。

きっと、今までとは違った視点でパン屋の開業について考えられるはずです。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。情報が全て伝わったかは分かりませんが「パン屋の開業」について少しでも進捗があったと思っていただければ幸いです。

記事の中ではご紹介しきれない内容については「リエゾンプロジェクト無料説明会」の中で詳しくお伝えしています。

リエゾンプロジェクト無料説明会は、新型コロナウイルス対策としてZoomを利用してオンライン参加が可能です。全国どこからでもパソコンまたはスマートフォンから簡単にご参加頂けます

それでは、皆様のパン屋開業が上手くいきますことを心よりお祈り申し上げます。

>オンライン説明会の日程をみる

 

<参考> 開業準備チェックシート

—————————————————-

■開業意思
□ パン屋をいつ開業したいか決めている
□ 開業エリアを決めている
□ 開業までに何をしたら良いかが明確になっている

■製パン技術
□ 製パン技術を習得している
□ 作業効率を考えて、数種類のパンを同時に焼ける
□ 売れるパンを造れる
□ 新しいパンのレシピを考えられる

■店舗
□ パン屋として成功する立地を知っている
□ 開業エリアの顧客属性を知っている
□ 作業効率を考えた図面を考えられる

■経営
□ 初期費用や運転資金がいくら必要か把握している
□ 売上管理や原価計算などが出来る
□ 必要機材や原材料の仕入れルートを確保している
□ 事業計画を作成している
□ パン屋における集客方法(マーケティング)を理解している
□ 開業資金を用意できる
□ 融資の準備などを進めている(融資の必要はない)

■各種手続き
□ 必要な手続きや資格を把握している
□ どこに何の書類を提出するか知っている

—————————————————-

パン屋開業には興味あるけど、これらを「自分で調べるのは、面倒くさい」と思う方は、まずはリエゾンプロジェクト無料説明会にご参加ください。

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