一人で切り開いたパン屋への道
開業10年、子どもたちの「居場所」としてのパン屋
高澤 侑真さん
児童養護施設職員 ⇨ パン屋
現在、東京都渋谷区の幡ヶ谷で「町のパン屋さん」として愛され続けているパン屋「Laulu BAKERY(ラウルベーカリー)」を営む高澤侑真オーナー。以前は児童養護施設で16年のキャリアがあり、様々な事情を抱える子どもたちを支えていましたが、卒園後の子どもたちが自立したときに支える環境を作りたいという思いから、パン屋を開業しました。高澤オーナーに、パン屋を始めるまでの経緯や、パン屋経営の喜びについて伺いました。
パン屋を開業するきっかけ
「子どもたちを支える場所を作りたい—児童養護施設での経験が原点」
高澤オーナーがパン屋を開業しようと決めた背景には、児童養護施設での16年のキャリアがありました。18歳で卒園する子どもたちの自立が難しい現状を目の当たりにして、高澤オーナーは、地域に根ざした相談の場や働ける場所の必要性を感じ、特に食に困らせたくないという思いがありました。
高澤オーナー:「卒園後の子どもたちから自立についての相談をよく受けていました。食べ物に困った子どもたちには、何か手助けができる場所を作りたかったんです。パン屋なら、気軽に来られる場所になるのではないかと思い、開業を考えました。」
最初は漠然とした思いでしたが、そのアイデアは次第に具体的なプランとなり、高澤オーナーの新たなキャリアへと繋がっていきました。
リエゾンプロジェクトとの出会いとパン屋開業の決断
「5日間の研修で自信を掴む—リエゾンプロジェクトとの出会い」
パン屋を開業することを決意したものの、具体的な方法を模索していた高澤オーナーは、リエゾンプロジェクトと出会います。
高澤オーナー:「パン屋を始めるにあたって、どうやって実現すればいいか分からず、学校や見習いの道も考えました。そこで、リエゾンプロジェクトを見つけ、短期間で開業できる方法を知り、研修に参加することにしました。」
5日間の研修で、パンづくりの基本を学び、自分のパン屋としての適性が確認できたといいます。
高澤オーナー:「研修では、パンづくりの手順などをすべて詰め込んで教えてもらいました。そして、実際に自分で作ったパンが美味しかったので、これなら自分でもパン屋ができると思いました。」
フランチャイズではなくリエゾンプロジェクトを選んだ理由
「自由度の中で自分のやり方を模索—自分に合った働き方」
リエゾンプロジェクトは、フランチャイズとは異なり、自由度が高い反面、すべてを自分で決定する必要があります。高澤オーナーにとって、その自由さが自分に向いていたと語ります。
高澤オーナー:「フランチャイズは決まったやり方がありますが、リエゾンプロジェクトは枠の中で自分なりに考える余地がある。自分にはそれが合っていると思いました。」
ゼロから作り出すよりも、マニュアルを利用しながら自分なりの工夫を重ねる仕組みが、高澤オーナーのスタイルと一致しました。
開業後の喜びと苦労
「店舗作りもパンづくりも—すべてが初めての挑戦」
高澤オーナー:「前の仕事とは全く違うことばかりで、店舗作りや営業、経営のすべてを自分で決めるのが大変でした。しかし、それを乗り越えて、地域のお客様に支えられ、10年続けてこられたことが一番の喜びです。」
特に10年以上通い続けてくれるお客様の存在が、高澤オーナーにとって大きな励みになっています。
高澤オーナー:「開業当初からのお客様が今でも来てくださるのは、本当にありがたいです。赤ちゃんだった子が大きくなって、一緒にパンを買いに来る姿を見て、町とともにパン屋も成長してきたんだなと実感します。」
地域に根付いたパン屋として、Laulu BAKERYはただパンを売る場所ではなく、コミュニティの一部となり、日々の暮らしに寄り添う存在になりました。高澤オーナーは、パンを通じて地域に少しでも貢献できていることを嬉しく感じています。
継続することの大切さと今後のビジョン
「マンネリ化を乗り越え、10年続けてきた理由」
10年間パン屋として成長を続けてきた中で、最も大変だったのは、開業から数年後に訪れたマンネリ化の時期だったと語ります。
高澤オーナー:「5周年を迎えた後、少し気が抜けてしまい、マンネリ感がありました。でも、卒園した子どもたちや、今働いてくれている子たちのためにこの場所をなくすわけにはいかないという思いで、続けてこれました。」
高澤オーナーは、児童養護施設で生活する高校生や卒園した子どもたちに働く場を提供することもパン屋開業の目的としており、これまでに10年間で9人の子どもたちを雇用してきました。
高澤オーナー:「これまでに児童養護施設に在籍している高校生と卒園した子どもたちを合わせて9人、雇用してきました。そういった子どもたちに仕事の場を提供できたことが一番の達成感です。この場所を維持し続けて、子供たちやスタッフの居場所を守りたいと思っています。」
Laulu BAKERYの高澤オーナーの挑戦は、児童養護施設での経験をもとに、地域のために何かできる場所を提供するという信念から始まりました。地域に根ざし、長年愛され続けるパン屋としての役割を果たし続ける高澤オーナーの今後の展望も、さらなる成長と新たな挑戦に向けたものです。
高澤オーナー:「今後はスタッフに仕事を任せつつ、また新しい挑戦をしたいと考えています。以前の仕事にも関わりながら、パン屋も続けていくつもりです。」
これからも地域に愛され続けるLaulu BAKERYと、そこで働くスタッフたちが築く未来に期待が膨らみます。
「まとめ」
今回は『Laulu BAKERY(ラウル ベーカリー)』様のパン屋開業までの取り組み、そしてその後の様子をご紹介しました。
リエゾンプロジェクトは日本で最も長く「パン屋の開業支援」を行ってきている会社です。
開業支援実績も国内外で400店舗以上。フランチャイズ契約ではないので、自由度が高いパン屋を開業できることが特徴です。
パン屋開業にご興味がある方は、「リエゾンプロジェクト説明会」にご参加ください。