コンビニ女性オーナーがパン屋を両立して丸15年
選び抜いたリエゾンプロジェクトで届ける「幸せ溢れる日常のパン」
坂本 まゆみさん
FC小売業 ⇄ パン屋
埼玉県さいたま市南区で、2010年3月にリエゾンプロジェクトの支援を受けて開業した「国産小麦100% ぱんだちゃん」。坂本オーナーは、コンビニ経営を続けながらも、夢であったパン屋をリエゾンプロジェクトを通じて実現しました。リエゾンプロジェクトのパンとの出会いが、パン屋開業の大きな転機となりました。関東1号店としてスタートし、15年目を迎えた坂本オーナーに、これまでの挑戦についてお話を伺いました。
パン屋を開業したきっかけ
「幼い頃からの料理への情熱がパン屋の夢を後押し」
坂本オーナー:「小さい頃から食べ物を作ることが大好きで、母やおばあちゃんにくっついて料理をしていました。お菓子やご飯を作るのが日常で、自然と食べ物に関わる仕事をしたいと思うようになったんです。アルバイトでパンづくりをしたこともあって、いつかパン屋をやりたいという思いがありましたが、パンづくりってすごく難しいと思っていたので、片手間でできるようなことではないし、不可能だろうなって思っていました。」
坂本オーナーがパン屋開業を決意するまでには、長い時間がかかりました。幼い頃から料理が好きだった坂本オーナーですが、一度は家業である小売業を手伝うことになります。父親の頼みにより3年間、小売業に従事しましたが、「食べ物を作る仕事がしたい」という思いが強く、パンづくりが好きだったこともあり、パン屋への夢を諦めきれませんでした。
坂本オーナー:「小売業を手伝いながら、何か食べ物を作る仕事を並行してできないかと考えていました。その中でも、やっぱりパンづくりが好きだったんです。そんな時、雑誌を見ていたら、リエゾンプロジェクトのことを知りました。『5日間でパン屋になれる』と書いてあって、最初は『そんなことが本当にできるのか?』と思いましたが、気になってすぐに岡山に行ってみたんです。それがきっかけでした。」
リエゾンプロジェクトの「選択」と「5日間研修」
「不安を乗り越えた5日間の研修が、パン屋への道を切り開いた」
坂本オーナー:「当時は見学ツアーがあって、バスに乗ってリエゾンプロジェクトの店舗を回ったり、おかやま工房の実際の製造現場を見学したりしました。でも、その時はまだ不安が残っていて、『これで本当にパン屋ができるのか?』という疑問がありました。そこで、河上社長やトレーナーに相談して、とりあえず5日間の研修を受けてみようと決めました。」
研修に参加し、パンづくりの心構えや基本をしっかりと学び、パンづくりの奥深さに驚いた坂本オーナー。実際に自分の手でパンをつくる中で、「自分がどれだけ成長できるか」が大きな鍵だと感じた坂本オーナーは、次第にパン屋を開業する自信を深めていきました。
坂本オーナー:「5日間の研修はあくまでもスタートラインでした。この研修を通じて基本を学びましたが、それ以上に、今後どれだけ自分が成長できるかと考えると、ワクワクが止まりませんでした。」
こうして、研修で得た経験と技術が大きな後押しとなり、坂本オーナーは「ぱんだちゃん」をオープンし、パン屋の夢を実現することになりました。
開業後に直面した課題と改善
「最初の数年間は試行錯誤の連続」
坂本オーナー:「開業から数年は、本当に試行錯誤の毎日でした。日商が4〜5万円で、雨の日には売上がさらに落ちてしまうこともありました。どうすればお客様にもっと喜んでもらえるのか、パンのアイテムや焼き方を何度も見直しました。」
開業当初は思うような成果が出ず、試行錯誤の日々が続きましたが、坂本オーナーは決して諦めることなく、パンづくりに真摯に向き合い続けました。
坂本オーナー:「2年目に岡山で開催された河上社長の勉強会に参加した際、自分たちが作るパンがまだまだ改善できることを痛感しました。河上社長が作ったパンを2日後に食べても、私たちのパンよりもはるかにふわふわで美味しかったんです。その時、自分たちにはまだ伸びしろがあると気付き、すぐに改善に取り組みました。」
この経験が大きな転機となり、坂本オーナーはパンの品質向上に全力を注ぐようになりました。それ以来、日々のパンづくりがより一層進化し、「ぱんだちゃん」は地域で愛されるパン屋として成長を遂げていきます。
坂本オーナー:「試行錯誤を重ねた結果、現在では売上も安定し、経営は右肩上がりで順調です。品質管理を徹底し、例えばクリームパンは毎日定点観測を行い、少しのブレも許さないこだわりを持っています。」
パン屋を開業して見えた景色
「日常のパンを届ける喜び」
坂本オーナー:「パン屋という仕事は本当に幸せな仕事だと思いました。焼きたてのパンをお客様が笑顔で手に取って、『美味しい!』と言ってくださる姿を見ると、本当にやりがいを感じます。お客様がその場でパンを食べて、嬉しそうにしてくれる瞬間が日々の励みになっています。」
「ぱんだちゃん」が地域に根付き、多くのお客様に愛される存在になったのは、坂本オーナーが常にお客様とのコミュニケーションを大切にしてきたからです。特に、長年通ってくれる常連のお客様の存在が、坂本オーナーにとって大きな喜びとなっています。
坂本オーナー:「夏休みやお正月に1週間ほどお店をお休みすることがあるんですが、休み明けに常連のお客様から『ぱんだちゃんのパンが食べたかった!』って言っていただけるんです。その瞬間は、本当に涙が出そうなくらい嬉しいです。たった1週間でもそんな風に言ってもらえるなんて、『日常のパン屋』として地域に根付いたんだな、と実感します。」
お客様に「日常のパン」として愛されるパン屋であり続けることを目指す坂本オーナー。開業から10年以上経った今も、その思いは変わりません。
坂本オーナー:「河上社長とも話していましたが、『パンを日常のものに』というコンセプトは開業当初から大切にしてきました。これからも、お客様の日常に寄り添いながら、美味しいパンを届け続けていきたいです。」
自由度の高いリエゾンプロジェクトでの挑戦
「自分で決める自由と責任の中で得た成長」
坂本オーナー:「コンビニのフランチャイズでは、しっかりとしたマニュアルがあり、自由度はほとんどありませんでした。しかし、リエゾンプロジェクトは自由度が高く、自分で決めることが多いのが特徴です。5日間の研修は、あくまでスタートラインに立つためのもので、その後どれだけ自分で努力し、疑問を解決しながら進めるかが重要だと感じました。探究心を持って積極的に取り組まないと、それで終わってしまう危険性もあります。」
苦労を感じることもあったかもしれませんが、坂本オーナーはその経験を「ありがたかった」と振り返ります。
坂本オーナー:「わからないことは何でも教えてくださいましたし、必要であれば岡山に行って学ぶこともできました。何度も丁寧に教えていただけたので、困ったことはあまりなかったですね。また、レシピが丁寧で素晴らしいと思います。」
感謝の気持ちと支え
「困難を乗り越えられた3つのありがたかったこと」
坂本オーナー:「まず一つ目は、河上社長が直接教えてくださったことです。そして、トレーナーの方々も迅速に教えてくれました。当時は、写真や動画の共有が今ほど簡単ではなかったので、言葉で丁寧に教えていただいたことがありがたかったです。二つ目は、丁寧なレシピの提供です。このレシピは基本に忠実に従えば、美味しいパンが必ず作れるようになっています。三つ目は、困った時にすぐに対応してもらえたことです。普通、こんな迅速な対応はあまり期待できないのですが、リエゾンプロジェクトでは当たり前のようにサポートをしていただき、本当に感謝しています。フランチャイズ経験者として、そのサポートのありがたさが身に染みてわかります。」
坂本オーナーが振り返る「ありがたかったこと」は、パンづくりの技術だけでなく、開業後のサポートの手厚さだと言われています。特に、丁寧なレシピと迅速な対応は、パンづくり初心者にとって大きな安心材料となり、フランチャイズとの違いを実感する重要なポイントでした。
採用とチームづくりの秘訣
「相性と思いを重視したスタッフ採用」
パン屋の成長には、スタッフの存在が欠かせません。坂本オーナーは採用にも強いこだわりを持ち、スタッフとの相性や思いを重視しています。
坂本オーナー:「開業当時、求人誌に小さな枠でパン屋の求人を出しましたが、200人近くの応募がありました。採用したい人数は3名だったのですが、80名ほどと実際にお会いし、それぞれと長く話をして、どういう思いで働きたいのかを見極めました。その中から、同じ方向を向いて進める3名を選びました。今では総勢8名になりましたが、新しいスタッフも相性や仕事に対する思いを重視して採用しています。最初に採用した3名も、今も何らかの形で関わり続けています。」
スタッフの相性や共通の思いを大切にすることで、チームとしての結束が強まり、パン屋の運営がよりスムーズに進むようになったといいます。
パン屋と小売業の違い
「お客様との繋がりが生む感動」
坂本オーナー:「小売業は商品を仕入れて陳列し、それを売るという流れですが、パン屋は製造小売なので、焼きたてのパンを作り、すぐにお客様に届けられる喜びがあります。スタッフには『あなたが直接お客様にパンを届けているんだ』という意識を持たせるようにしています。お客様に感動を届けるために、細やかなサービスや対応を大切にしています。」
パン屋は、お客様との距離が近く、直接的なコミュニケーションを通じて感動を生む力があります。坂本オーナーにとって、お客様との対話や要望に応えることは、パン屋としての使命でもあり、やりがいです。
坂本オーナー:「例えば、あんバターパンがない場合でも、『あんパンにバターを挟んでみますか?』と提案するなど、お客様の要望にはできる限り応えるようにしています。スタッフともお客様の対応について振り返りながら、どうすればもっと喜んでいただけるかを常に考えています。それが私たちのパン屋の成長に繋がっていると思います。」
未来への展望
「パン屋の未来と地域への貢献」
坂本オーナーは、これまでの成功を維持しながら、時代の変化に対応して「ぱんだちゃん」をさらに進化させたいと考えています。パン屋としての基盤を大切にしつつ、地域とのつながりを強化し、新たな価値を提供することが目標です。
坂本オーナー:「今の『ぱんだちゃん』のベースを守りながら、時代に合わせたサービスを導入していきたいです。例えば、パン以外にも持ち帰りやすい商品を考えて、お客様のニーズに応えたいです。」
また、パン屋を通じて地域に貢献したいという強い思いも持っています。特に、次世代を育む「食育」の重要性を感じ、子どもたち向けのパン教室や、地域の学校での食育活動にも力を入れていきたいと考えています。
坂本オーナー:「実際に、スタッフのお子さんの自由研究でパンづくりを教えたりしたことがありますが、そういった形で子どもたちにもパンづくりの楽しさや、食べ物の大切さを伝えたいですね。地域の子どもたちにもっと関わっていける活動を増やしていきたいと考えています。」
今後も、「ぱんだちゃん」はパンを通じて地域に笑顔を届けるだけでなく、次世代の教育や社会貢献にも力を注ぎ、より一層地元に愛される存在を目指していくことでしょう。
「まとめ」
今回は『国産小麦100% ぱんだちゃん』様のパン屋開業までの取り組み、そしてその後の様子をご紹介しました。
リエゾンプロジェクトは日本で最も長く「パン屋の開業支援」を行ってきている会社です。
開業支援実績も国内外で400店舗以上。フランチャイズ契約ではないので、自由度が高いパン屋を開業できることが特徴です。
パン屋開業にご興味がある方は、「リエゾンプロジェクト説明会」にご参加ください。