2022.09.30

パン屋を開業したい人必見!パン屋開業のための資金調達方法とは?

自己資金が少なくてもパン屋を開業できる資金調達方法とは?

いつかは自分でパン屋を開業したいーそんな夢を持つ一方で、開業に関するさまざまな不安、特に資金調達に関する悩みは、パン屋の開業をめざす時に大なり小なり抱くものです。

しかし、必要な資金の内容を事前に把握して調達方法を知っておくと、こうした不安は軽減できます。勢いでパン屋の開業をめざすのではなく、きちんと順序だてて考えていけば現実的な対応ができるのです。

この記事では、パン屋の開業にあたって必要となる資金の種類や自己資金が少なくても開業できる資金調達方法等、またパン屋を開業する時のお金に関する基礎知識について紹介します。

パン屋開業を成功させるコツは経営者としての意識を持つこと


パン屋を開業するからにはたくさんのお客様に長く愛されるお店にしたい、そんな思いを持って開業を検討しているかと思います。その思いを実現するために大事なポイントについて、この記事のテーマである資金調達に重点を置いて紹介しましょう。


①パンが好きというだけでは続かない

パン屋の開業を考える理由として「パンが好きだから」「パンづくりには自信があるから」といった理由を挙げる人は多いでのではないでしょうか。

もちろんパンへの熱い想いを持っていること自体は大切な要素のひとつですが、その想いだけでパン屋を開業して成功できるかはまた別の話です。なぜならパン屋を開業するということは経営者になることだからです。

パン職人や店のスタッフとして働くのであれば、パンが好きという気持ちだけで続けていけます。
しかしパン屋を開業しオーナーになると、パンづくりの技術を磨くのに加えて店の経営について常に考え、状況を見ながらスピーディーに判断していく姿勢が求められるようになります。

店の経営とは、店を存続させるためのあらゆる方策を立てて実行していくことです。
商品開発や仕入れルートの確保、売上や経費の計算、事業計画のこまめな見直し、接客レベルの維持、店内設備の管理など経営に関する項目は多岐にわたります。

開業資金や運転資金の準備・管理ももちろんその中に入ります。開業し、店を経営している間はお金に関する勉強をし続ける姿勢が必要です。

②信用をコツコツ積み立てる

自己資金が少なくてもパン屋の開業が可能なのは事実で、実際に開業できている人はたくさんいます。ただし、自己資金が少ないということは外部から融資を受ける必要があることを意味します。

融資を受けるためには融資先の信用を得ることが大切です。自己資金がゼロの人と100万円準備している人だと、100万円貯めてきた人の方が開業への覚悟や計画性を感じるもの。

経営はお客様や取引先などいろんな人からの信用を得て続けられることなので、可能な範囲で自己資金は準備しておくに越したことはありません


パン屋開業は夢実現のためのスタート地点

パン屋の開業に関して必要となるお金は、大きく分けて初期費用と運転資金の2つがあります。

開業をめざしている段階では初期費用の準備が目下の課題ですね。
開業時点で自己資金がどれくらいあるかは個人差がありますが、少なかったとしてもさまざまな資金調達方法がありますからパン屋の開業は可能です。

ただし、開業がゴールではないことをきちんと認識しておくことが大切です。
開業後は資金管理を細かく管理する意識が何より重要で、店が存続していけるよういろんな面からの努力が必要になります。

開業はあくまでもパン屋経営のスタート地点に立った状態だということをしっかり認識しておきましょう。

 

パン屋の開業時に必要となる資金

パン屋の開業時には初期費用としてさまざまな資金が必要になります。開業資金を準備するためにはまずどれくらいの資金がかかるのかを事前に把握しておくことが大切です。

①物件関連費用

パン屋の店舗本体を借りる資金です。平均6ヶ月分の前家賃と敷金、礼金、保証料などを契約時に支払いますから、家賃9ヶ月分を物件費用として計算しておくといいでしょう。

物件の家賃相場は開業エリアや店舗面積、テナントか路面店かなどの諸条件によって異なります。郊外に開業する場合は駐車場が必要になることも考えて家賃を検討しましょう。

一般的に、個人でパン屋を開業する場合の店舗面積は10坪前後、広くても20坪前後です。

目標の売上によって品数は変わりますし、イートインスペースを設けるかどうかによっても違いますから、開業するパン屋のイメージを具体的に決めておくのがおすすめです。

居抜き物件を探すのは物件費用を抑える手段のひとつですが、なぜ前の店が閉店してしまったのかをよく調べておくことが重要です。たとえば立地的に来店しにくい場所であることが理由なら、初期費用は抑えられても開業後の集客がうまくいかない可能性が高いです。

②外装工事費用

お客様が集まるパン屋は、パンが美味しいというだけでなくコンセプトがしっかりしているのが特徴です。最近は個性的なパン屋が増えているため、他店との差別化を図る意味で内外装を整えることは大切です。

お客様に入りやすさ、親しみやすさを感じてもらえる雰囲気づくりを心掛けましょう。シンプルでも清潔感があり統一感のあるインテリアがベターです。

③設備費用

パン屋を開業するにはパンを製造するための設備が必ず必要です。オーブンやミキサー、ホイロ、作業台といった厨房設備や冷蔵庫等の機器類を手に入れるための資金を準備します。

厨房設備のほかに空調設備やパンを並べる什器、イートインスペースを設けるならテーブルセットなどの家具や食器類をそろえる資金も計算に入れます。

④原材料の仕入れ費用

パンを製造するための原材料を仕入れる資金が必要です。小麦粉やバター、砂糖や塩といった調味料、スキムミルク、酵母など良質な材料を安く仕入れるルートの確保については早めに目途をつけておくのがおすすめです。

パンと一緒にドリンクやスイーツを提供する計画なら、それらの仕入れ資金も必要です。

⑤広告宣伝費用

開業準備の段階ではまだ店の存在は知られていませんが、開業初日からお客様にたくさん来てほしいのが本音ですね。足を運んでもらうには存在を知ってもらう必要がありますから、営業活動の一環として広告宣伝を行いましょう。

ホームページやSNSといったWeb媒体を使う方法、ポスティングチラシや折り込みチラシといった紙媒体を使う方法のどちらか、もしくは両方を利用します。

Web媒体は多くの人にアプローチできる、24時間見てもらえるというメリットと、構築まで時間がかかる、更新や投稿の手間がかかるというデメリットがあります。

一方紙媒体は手軽に作成できる、費用が安価というメリットと、アプローチできる範囲に限界がある、広告効果を分析しにくいというデメリットがあります。

⑥人件費

パン屋を開業するにあたって、 一人ですべての業務をこなすのはほぼ無理です。パンをつくる業務と接客業務、最低でも2人は必要ですから、親子や夫婦などの家族経営で行うのか、パートやアルバイトなど外部の人材を雇うのかを計画時にしっかり考えましょう。

初期費用を抑えるには?

パン屋の開業時にかかる初期費用は、一般的に2000~3000万円が相場だと言われています。開業するエリアや選ぶ物件の広さによって物件費用は上下しますし、厨房設備や原材料はこだわるほど高くつきます。

妥協したくないという気持ちが出てくるのは分かりますが、開業後も運転資金が毎月かかることを考えるとできるだけ初期費用は抑えておきたいものです。

資金計画を立てる際には、妥協したくない部分と譲歩できる部分とをよく考えてみましょう。
「原材料は良質なものしか使いたくない」「小さくても都心部で開業したい」など、妥協したくない部分はある程度資金を投入しなければならないと覚悟しておく必要があります。
その代わり譲歩できる部分は可能な限り資金をカットして全体のバランスを取ります。

多少古い物件でもよければ家賃は下がりますし、厨房設備や空調設備はリースを検討すれば開業時に大きな資金を出すことを避けられます。

開業当初は営業時間を短めにして最小限のスタッフで営業してみるなど、人件費をかけない工夫をしてもいいでしょう。

開業時に何もかも多額の資金を使うのではなく、使うところと抑えるところのメリハリをつけて厳しくコストを管理する意識を持つようにすることが大切です。

 

自己資金が少なくてもパン屋を開業できる資金調達方法

パン屋の開業にかかる初期費用、そして開業後の運転資金の金額を計算してみて、予想していたより多額の資金が必要なことが分かって迷いや不安が大きくなったという人がいるかもしれません。

しかし、資金調達の方法を事前に学び、自己資金が少なくても夢だったパン屋の開業を叶えた人たちはたくさんいます。

パン屋の開業に必要な開業資金や運転資金を確保するための資金調達方法はいくつかありますので、適切な方法を上手に活用しましょう。ここでは主に3つの資金調達方法を紹介します。

①銀行などの金融機関から融資を受ける

都市銀行や地方銀行、信用金庫などの民間金融機関は、事業者を対象とした融資制度を設けています。ただし、民間金融機関は事業実績がない新規事業への融資に対しては非常に厳しい審査をすることが多く、綿密に作成された事業計画書やある程度の自己資金額がないと審査に通りにくいのが実情です。

民間金融機関から融資を受ける時は、開業時ではなくある程度事業実績を積んでから申し込む方が審査に通る確率が高まるでしょう。


②公的機関から融資を受ける

国や自治体が運営する公的機関でも、新規事業への融資制度が設けられています。新規事業の融資として、日本政策金融公庫か地方自治体の制度融資を利用するケースが一般的です。

日本政策金融公庫は国が100%出資した金融会社で、民間金融機関が行う融資のように過去の事業実績を問いません。そのため開業時に融資を受けやすいのが特徴です。

基本的に無担保で、一定の金額以下であれば保証人も不要です。事業計画書などの必要書類による書類審査と面談による審査があり、申し込みから融資が実行されるまでは1ヶ月前後と比較的スピーディーです。

地方自治体や信用保証協会等が連携して実施する制度融資は、金利が安いのが大きな特徴です。民間金融機関よりも審査基準が低く、創業融資の場合は事業未経験でも審査に通る確率は民間金融機関の融資よりも高めです。

ただし、日本政策金融公庫と比べると融資実行までに時間がかかるため、開業資金が必要になる時期から逆算して早めに申し込みをする必要があります。

運営母体である地方自治体ごとに制度の仕組みや審査基準は違いますから、融資を受けたい制度の詳細をよく確認してから申し込みましょう。

③親族に支援してもらう

金融機関から融資を受けると、どれだけ低くても金利がかかります。返済金額を元本からできるだけ増やしたくない場合や普段から信頼関係が築けている場合は、親族に借りるという方法があります。

金融機関のように審査があるわけではありませんが、借りたい金額の根拠をしっかり説明して理解してもらうことが何よりも大切です。返済期日や月々の返済金額、返済方法等についてもきちんと書面に残しておくと、何か問題が起きた時に揉めずに済みます。

当然ながら返済に関しての約束は破らないことが最優先です。信用してお金を貸してくれるわけですから、説明なく返済を滞らせたり返済しなかったりするのは厳禁と心得ておきましょう。

④その他

金融機関からの融資や親族からの支援以外に資金を調達する方法としては、クラウドファンディングの活用、助成金や補助金の獲得などがあります。

クラウドファンディングは、新しい商品やサービスをアピールし、その開発や販売に対して不特定多数の人から資金の支援を受けるシステムです。

融資ではないので返済義務はありませんが、支援者に対してリターンを設定しないと支援金が集まりにくい、目標金額に達しない場合支援金が得られないなど不確定要素がやや強いと言えます。

助成金や補助金は、一定の必要条件を満たしていれば申請した金額が受け取れるシステムです。こちらも返済は必要ありませんが、特に補助金は趣旨に合致していない場合や要件を満たしていない場合審査で落ちてしまうことがありますから、申請時の書類をしっかり作り込むことが大切です。


パン屋開業のための自己資金はどれくらい準備しておくべき?

前にも触れたように、自己資金は開業への意欲を融資先にアピールし、信用を得るためには有効です。とはいえ、貯めることにこだわりすぎていつまでも開業に踏み出せないのも避けたいですから、自己資金の目安を把握しておきましょう。

一般的に、初期費用と運転資金5~6ヶ月分程度を合計した金額の1/3程度を自己資金として準備しておくと創業融資は受けやすくなります。

パン屋を開業してから経営が軌道に乗るまで、個人差はありますが最低3ヶ月、平均6ヶ月かかると言われていますので、自己資金が多いほど開業後余裕を持って経営に集中できるというメリットもあります。

資金が少なくなってくると資金繰りばかりに気を取られてパン屋の経営に集中できなくなり、さらに売上が下がるという悪循環に陥りかねません。無理のない資金計画を立てられるよう、自己資金の目安をもとに準備しましょう。

 

パン屋開業時の不安を自信に変える!リエゾンプロジェクトの概要

「資金調達の方法がいろいろあるのは分かったけれど、自分にパン屋が開業できるだろうか…」という不安はなかなか消えないものです。こうした不安を解消するには、一人で頑張るのではなく、経験や知識がある人からアドバイスを受けて最短ルートで準備を進めていくことが大切です。

株式会社おかやま工房が提供しているパン屋開業支援事業「リエゾンプロジェクト」では、国内外250店舗以上の開業支援実績、35年以上にわたって積み重ねてきた開業・経営ノウハウや製パン技術を5日間でマスターできるプロジェクトです。

パン屋の開業にはさまざまな手続きや準備をしなければいけませんから、一人で進めるのはかなり大変です。開業までにすべきことや売れるパン屋を開業するためのポイントをつかんでいただくことで、開業前や開業直後の不安を自信に変えることができます。

パン屋を開業したいという夢をかなえるための第一歩として、まずは気軽にリエゾンプロジェクトに参加してみてください。下記リンクから詳細をご確認いただけます。

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まとめ

今回は、パン屋を開業する際に多くの人が不安や悩みを感じる開業資金の種類と資金調達の方法について紹介しました。

「美味しいパン屋さん」をめざすことも悪くはありませんが、店を経営する以上は「売れるパン屋さん」でなければ店を継続することはできません。

多くのお客様に長く愛されるパン屋をつくりたい、そんな思いを実現させるために、「売れるパン屋さん」になるコツを押さえて開業準備を進めたいですね。

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